
元ウエディングプランナーのライター、ランです。
結婚前にもっとも憂鬱なこと、それはお互いの両親への挨拶ですよね。
それもそのはず。
彼のことは好きだし、彼女のことは愛しているけど、彼の両親、彼女の家族を愛しているわけではありません。
いわば、好きでもない相手へ「家族になりませんか?」と申し出る儀式が、お互いの両親への挨拶なのです。
もちろん、お二人が相手の両親を知らないように、両親もお二人のことを知りませんから、歓迎はされません。
大事な娘や息子を奪っていくように感じて、すごい剣幕で嫌がられることだって普通です。
でも安心してください。
実は、両親挨拶には「必勝法」があるのです!
そこで今回は、結婚前の両親挨拶を確実に成功させるための、『必勝法』を伝授します。
結婚前の登竜門である挨拶を成功させてハッピーな結婚式を挙げる為にも、しっかり熟読してくださいね♪
両親挨拶に必勝法ってあるの?
必勝法は、ズバリあります!
というのも、両親挨拶は「きちんとする」ことに最も大きな意味があるからです。
どんなに反対されても、お二人がお二人の両親よりも誠実に、両親よりも大人になって完璧に挨拶をこなすことが大切です。
一般的には「その場で許してもらう」ことだけが成功だと思っている人が多いですが、それは大きな間違いです。
仮にその場で「許す」といわれても、急にきた初対面の男性や女性を、心の底から信頼しているわけではありません。
つまり、その場で許されても許されなくても、両親の気持ちは同じく「どこの馬の骨が!」なのです。
しかし、両親も人間です。
相手が誠実に挨拶にやってきて、その後長い時間をかけて家族になっていく・・・その過程で初めて「あぁ、この人と娘or息子が一緒になってよかったな」と思うのです。
そう思われて始めて、「両親挨拶が成功した」と言えるのです。
長い時間をかけて家族になっていくための「入口」=両親挨拶。
その場で形だけの許しをもらうことだけが、本当の成功ではないのです。
ここの心構えを知っておけば、ずいぶん気も楽になるでしょう。
基本的な両親挨拶マナー
大切な心構えが分かったところで、でも「できれば形だけでもその場で許してもらいたい」と思う人が大半です。
もちろんそうですよね。
まずは親を納得させるためにも、基本的な両親挨拶のマナーをこなし、誠実さと相手に対する本気を知ってもらいましょう。
今回は、その為に必要なマナーを項目ごとに解説しましょう。
1:挨拶に行く日取り決めや場所、時間
まずはそれぞれの両親に挨拶に伺う、日取り決めや場所、時間など。
基本的なマナーと注意点を解説します。
どんな理由があっても必ず女性の両親への挨拶が先
「彼の家のほうが近い」「彼女の実家は遠い」「彼女の両親は忙しい」
これらは、一切理由になりません。
早く許してもらいたいのはわかりますが、絶対に彼の両親に先に挨拶に行ってはいけません。
これは、女性宅の両親のほうが無意識にも「娘を盗られる」という意識が強い為です。
例え彼女の両親から「彼のほうに先に行けば?」と言われたとしても、NGです。
誠実さを心から感じる為にも、十分すぎるくらいに誠実に対応するのが成功の秘訣。
彼女の両親に先に挨拶に伺いましょう。
日取りは後過ぎず、早すぎない日取りを提案
両親に挨拶に伺う日取りですが、後過ぎず、早急過ぎない日取りをまずは提案します。
およそ2~3週間前くらいに「○日はどうかな?」と提案しましょう。
稀に「両親への挨拶は盆に」とか「年末に」という人がいますが、それならばその2週間~
3週間前に親に連絡しましょう。
数か月前に「年末に彼女が挨拶にくる」と言われても、両親は立場をはっきりできず、モヤモヤしてしまいます。
反対に「明日彼女が来る」というのは両親の都合を一切考えていないので失礼になります。
もちろん提案した日取りの都合が悪ければ、両親の都合に合わせた日取りになりますが、まずはそれくらいの間隔で日取りの提案をしましょう。
両親が乗り気でないので日取りが決められない場合は?
両親が乗り気でなく、「忙しいから無理」などと言われ続けると、お二人もイライラしてしまいますよね。
そんな時は両親にとっての本当の子である側が頑張りましょう。
つまり新郎の両親には新郎が、新婦の両親には新婦が、両親にとって都合のいい日を聞き出しましょう。
両親から少しでも時間が空いている日が聞き出せれば、あとはその日・その時間に何としてでも挨拶に行くだけのことです。
挨拶に伺う時間帯は昼過ぎがベスト
両親挨拶に伺う時間ですが、時間に指定がない場合は昼過ぎの14時頃がオススメです。
お昼の時間帯はお昼ご飯を食べたり後片付けに忙しいですよね。
夜遅い時間帯や朝早くは、相手が1分でも大切にしたい時間帯であることが多いので、大変失礼にあたりますから、できれば避けましょう。
14時頃であれば、ちょうど手が空く人が多い時間帯ですし、お昼からも少し時間が経つのでお茶菓子やお茶が進みます。
人は美味しいものを食べていると心がオープンになりやすいので、このような時間帯を選びましょう。
場所は実家が基本。どうしても嫌がられる場合はお食事処で
基本的には彼女の実家に挨拶に出向くのが基本です。
しかし、両親によっては「家が汚い」「見せたくない」などの理由で、断固拒否という場合もありますね。
そんな時は、無理させて家に上がり込むのではなく、まずは外での食事に招くと良いでしょう。
個室で雰囲気のいいお店、できればあまり店員さんや他の客の声などが聞こえない雰囲気の場所がいいですね。
ただし、招くといっても県外など遠方へ招くのはNGです。
あくまで彼女の家まで行くのが本当なのですから、「県外のお母さんを東京まで呼んで…」というのはNG。
県外の両親宅の近くの良い店を、お二人が自力で探して招くようにしましょうね。
挨拶の時間は2時間くらいまで
挨拶に伺ってずっと居座るのは大変失礼です。
その上、両親も初対面や良く知らない人を招いて、精神的に疲れます。
長居すると、お互いに疲れるだけですから、2時間程度で話をまとめられるように進めましょう。
この時食事などを勧められて、夜遅くまで居座ってしまうケースもありますが、初回の挨拶ではひとまず2時間で帰りましょう。
そうすると両親も「もう少し話が聞きたかった」という想いが湧き、知らず知らずのうちに、「彼or彼女を早く家族にしよう」という想いに心が近づきます。
しかし勧められたまま長居して、「早く帰ってほしい」と思わせてしまうと、両親には「まだまだ家族にはできないな」という否定的な感情しか残りません。
挨拶の時間はお互いが少し「物足りなさ」を感じるくらいがちょうどいいので、程よい時間の目安が2時間というわけですね。
当日の服装
当日の服装は、相手に自分の「誠実さ」を悟らせるための1つの武器です。
そんな時に下品な恰好では武器にはならず、逆に両親に不快な思いをさせてしまいます。
誠実さをもって相手に挨拶に伺っていることを、服装でも伝えるようにしましょう。
女性の場合は正装に近いひざ丈ワンピースがベスト
女性が挨拶に伺う時の服装は、正装に近い品のあるひざ丈くらいのワンピースが無難です。
丈の短いものは下品なイメージを与えますから、避けましょう。
胸元を強調するような服装もNGです。
ネイルでも誠実さをアピール
ネイルをしてはいけないわけではありませんが、長い爪、アート性の高いネイルは「家事をしない女性」を連想させてしまいます。
男性側の両親は「家庭的な女性」を好む傾向があります。
なので、ネイルをする場合も爪を短めにし、ピンクなど奇抜ではない色にしておくと良いでしょう。
男性の場合は、黒などのスーツが基本
男性はスーツが無難です。
どんなにカジュアルな両親でも、必ずスーツを着て、誠実さをアピールしましょう。
その上、男性の場合はスーツを着ると一気に、風格が上がります。
両親からのウケも良くなるので、必ずスーツで出向きましょうね。
もちろんインナーのシャツは白、変な柄のないものにしましょうね。
ネクタイは紺やブルーなど清潔感と誠実さのある色が良いでしょう。
ピアスなどアクセサリーは女性の場合はある程度OK、男性はNG
女性の場合は、小ぶりなデザインであればアクセサリーをある程度しておくのは問題ありません。
あまりジャラジャラしていると、遊んでいるイメージを与えてしまうので、あくまで目立ちにくい小ぶりなものを選びましょう。
もちろんですが鼻ピアスや唇のピアス、舌のピアスなど、カジュアルなピアス類は全てNGです。
必ず外しておきましょう。
男性の場合は、彼女とおそろいの指輪以外のアクセサリは全てNGです。
日本の男性社会ではピアスの着用があまり良く受け取られません。
ピアスを外すだけでなく、ピアス穴は髪で隠すなどして、見えないようにしておくと良いでしょう。
スーツの中であってもネックレスなどをしておくのはNGです。
透けて見えたときに「遊んでいる」と思われる原因にもなりますから、避けましょう。
靴や足元もフォーマルにしよう
女性も男性も、服装はちゃんとしていても、忘れがちなのが靴や足元です。
女性の場合はヒールが少しだけあるタイプのパンプスなどでフォーマル感のあるものを選びましょう。
また、ストッキングはスカートの場合は着用し、電線や穴などのないものを使用しましょうね。
伺っている途中に何かあってはいけないので、念のため新品の替えを持っておくとよいでしょう。
男性の場合は、黒や茶などの革靴が基本です。
汚れがついていると「社会人としての気持ちが足りない」と思われますから、必ず事前に磨いて、清潔な状態で履いていきましょう。
玄関で必ず靴を脱ぎますから、靴のインナーが汚いと相手の両親への印象も悪くなります。
インナーが汚れていない靴を着用しましょう。
手土産
両親との距離を一気に縮めてくれるのが、手土産です。
よく両親挨拶マナーのサイトなどでは「料金は3000円から5000円くらい」など値段のことや「どこかの地域の特産品」などが書かれることが多いですが、私はもっと手土産にはこだわってほしいと思います。
手土産はいわば、両親挨拶の時の最初の「共通の話題」です。
そして、美味しいものは必ず場を和ませてくれます。
新郎家と新婦家、同じものを手土産に持参する必要はありません。
「相手の両親が本当に喜ぶものを贈る」のがベストですから、相手の両親も知らない特産品はNG。
あらかじめ両親が好きなものを徹底的にリサーチし、それよりもランクの高いものを持参するのが私のオススメです。
例えば「お酒が好きで、黒霧島ばっかり飲むのよ」という両親の場合は、「ゴールドラベルの霧島」を持参するなど、1つでも2つでもランクの上の手土産を持参しましょう。
「京都の○○の漬物が好きなの」という場合は、その漬物屋の中でも最もグレードの高いものを持参しましょう。
これに悪い顔をする両親はまずいません。
大切なのは自分がおいしいものをプレゼントするのではなく、「相手が確実にうれしい手土産を持参すること」です。
そこを忘れず、徹底的に好みと好きなものをリサーチして、手土産を決めましょうね。
家に上げてもらう際のマナー
ここでは家に上げてもらう時にスマートにマナーをこなすために、覚えておくべき基本的なマナーをご紹介します。
玄関では、家に上がる前に必ず挨拶をしよう
まず玄関ではすぐに家に上がるのではなく、その家を実家とする新郎または新婦が、
と両親に紹介しましょう。紹介された新郎または新婦は、その場で「名前+挨拶のために時間を空けてくれたことへのお礼」を述べましょう。
両親から上がるように言われたら、正面を向いたまま家に上がり、その後後ろを向いて靴を揃え、玄関の端におきます。
社会人として基本的なお宅訪問マナーですね。
部屋に入ったらすること
多くの場合は客人を迎え入れる和室か、最近ではリビングの食卓にそのままということも少なくありませんね。
どの場合でも、畳の縁や敷居などを踏まないようにしましょう。
また、リビングでも和室でも、最も出入り口に近い席が下座となりますから、その椅子や席の前に立ち、「お座りください」と言われるのを待ちましょう。
手土産は座った後に紙袋から出して渡すと良いでしょう。
会話の進め方
始めはどうしてもその家を実家とする新郎または新婦と、両親との会話が主になるでしょう。
それを黙って聞いていても問題はありませんが、「関係ない」というそぶりではなく、うなずいたり笑顔を浮かべたり、会話に参加している雰囲気を醸し出しましょう。
その後、どちらの実家でも新郎から「今日は大切な話があります」と切り出すのがスマートですね。
この時、彼女や彼の名前を呼ぶ時は「さん」付けで呼びましょう。
挨拶の言葉
挨拶の言葉に、特に決まりはありませんが、ポイントははっきり言うことです。
「えーっと、あのー、そのー、彼女が好きで・・・なので、ずっと一緒にいたいというか・・・」こんな口調では許される結婚も、許されません。
どんな言葉でもいいです。
というように、相手を好きな気持ち、そして結婚したいという意志を、はっきりと短く伝えましょう。
また、女性の場合はより「相手の両親への想い」も乗せて話すと効果的です。
「○○さんとそして○○さんのご家族の一員にさせていただきたいです。結婚を許していただけませんでしょうか?」
日本では男性家族側に無意識のうちに「家庭へ招き入れる」という意識があります。
ずいぶん薄れてはきていますが、その無意識を軽んじてはいけません。
結婚するということは、相手の彼だけでなく彼の両親も親族も、みんなが家族になるということ。
それをきちんと認識して、社会性のある妻になるという意志表示があると、より相手の両親には好印象になりやすいです。
プラスαの最強マナーを特別に伝授!
上記の基本的なマナーを徹底していれば7割の両親は形だけでもOKを出してくれるでしょう。
しかし、残りの3割は「まだ若いし」とか「まだ早いのでは」など自分の子どもの事を案じて反対します。
そこで両親挨拶でより確実に、短期間でOKをもらう為の必勝ポイントをご紹介しましょう。
ポイント1:美味しい料理や手土産を用意する
基本的なマナーでもご紹介した通り、美味しい料理や手土産は必ず相手の心に隙を作ります。
その隙は、突破口になります。
政治家の接待でも、何かの交渉事でも、海外で開かれる国際サミットでも、全てに共通して美味しい料理や手土産が振る舞われますよね。
これは日本だけでなく全世界に共通して、美味しいものや美味しい手土産が相手の心をほころばすことを証明しています。
反対されそうな両親には、一層徹底したリサーチで、必ず喜んでもらえる美味しい手土産を持参しましょう。
さらに、両親挨拶の前に美味しいレストランなどで彼女または彼を紹介しておくのも効果的です。
美味しいる料理でお二人に対して好印象を持たせ、さらに美味しい手土産で印象をアップさせましょう。
ポイント2:挨拶前に何度か実家を訪ねておく
挨拶の日に初対面の人だと、両親も「勝手に付き合っていた人と結婚するつもりか」と思ってしまいます。
付き合っている時点で「娘さん(息子さん)と結婚を前提にお付き合いさせていただきます」と自己紹介をしておけば、挨拶の時に両親も驚きませんよね。
両親によっては、急に挨拶に来られても、初対面の良く分からない人との結婚を許せないという人も少なくありません。
ですから、挨拶前に付き合っている彼や彼女を両親に紹介しておくと、より結婚挨拶は成功しやすいです。
ポイント3:兄弟姉妹の助けを借りる
兄弟姉妹がいる人は、兄弟姉妹の助けを借りるのも、反対されそうな両親を説得する鍵になります。
両親は当事者であるお二人の意見には耳をかす余裕がなくても、自分が産み育てたお二人の兄弟姉妹の意見には心を揺さぶられる場合があります。
「兄ちゃんの嫁さん、俺は好きだよ」とか、「私は感じのいいお兄ちゃんだと思う」など、新郎新婦の兄弟姉妹が協力して相手への印象を両親に話しましょう。
この場合、まずは兄弟姉妹に良い印象を与え、友好な関係を築いていなくてはなりません。
相手と結婚することを意識したぐらいから、少しずつでも相手の兄弟姉妹と会う機会を作っておき、両親よりも先に兄弟姉妹と仲良くなっておくのも作戦の1つです。
ポイント4:挨拶後に賛成している親から挨拶の連絡を入れる
両親挨拶が終わって、それでも片方の親が反対しているという場合、賛成してくれている両親に助けてもらうのも1つの作戦です。
これはかなりの賛成する気持ちがないとできないことですが、反対している親に賛成している親から挨拶してもらえば、反対している親も大人の会話を始めることができるでしょう。
実は理不尽な理由で反対している両親のほとんどが、「自分が理不尽で子供っぽい理由で反対している」ということに内心では気づいています。
しかし、自分の子どももその彼女や彼も、話す相手が両親にとって「子ども」なので、どうしても自分も子どもっぽい理由で反対してしまいます。
そこで賛成している両親から、電話で挨拶をしてもらい、その会話を大人の会話に引き上げてもらうのです。
「はじめまして。○○の父or母です。この度は縁あって、私たちの子がこのような話になり、私たちとしては本当にうれしく思っています。ふつつか者ではありますが、私たちの自慢の息子or娘です。どうぞ末永く、よろしくお願いいたします。」
短くても、このような挨拶が相手の親から入るとどうでしょう。
反対している親は気づきます。
自分達が「自分の子を取られる!」なんていう子供っぽい理由で反対していたんだと。
そして、自分たちにとっては「どこぞの馬の骨」だった子どもの相手にも、両親がいて、愛情を惜しまず育てた子どもなんだと気づきます。
両親の気持ちを大人の気持ちにしてあげる為にも、もしお二人の味方をしてくれる両親がいるのなら、このような手助けとなる挨拶をしてもらうといいでしょう。
ポイント5:挨拶後から実の子供がいい子になる
これは実は最も効力の高い方法です。
普通、両親挨拶で反対されると、実の子どもが実の両親に対して嫌になってしまい、関係が険悪になります。
すると、両親は「相手の○○さんのせいで、実の子の○○が悪い子になった」と勘違いする場合があります。
残念ながらほとんどの反対する親はこのように考えます。
つまり、反対している両親の実の子が悪い態度を取れば取るほど、結婚を許してもらえなくなるわけですね。
そこで、反対している両親に対して、実の子が頻繁に両親を訪ねたり、電話をしたり、手助けをするようなシチュエーションを作りましょう。
こうすると、「この子もこんなに頑張って許してもらいたいんだし・・・」という気持ちになり、両親の気持ちがほどければ結婚の許しが出るでしょう。
これらはもし反対だった場合や反対の可能性が高い場合に使うと有効ですが、普通の場合でも布石として用いておくと安心できるでしょう。
両親挨拶で最も大切な対応をご紹介!
両親挨拶で、ここまでの基本的なマナーと+αのマナーをこなしていれば、私の経験上9割以上はOKをもらえます。
でも、挨拶前にはどんなに必勝法を知っていても、不安なものです。
両親も人間ですから、もちろんゲームのように「こうすればOKしてくれる」と決まっているわけではありませんしね。
そこで、私がプランナー時代にいつも皆さんに言っていた「両親挨拶で最も大切なこと」をご紹介しましょう。
即座の返答を求めない
両親挨拶の時間はおよそ2時間、その間に両親が手塩にかけて育てた子どもの将来を「たくせ」というのは酷な話です。
両親は子どもが生まれてから今まで数十年、精いっぱいその子の人生を共に歩んできました。
いわば、目に見えなくても心の中では手をつないで歩いてきたのです。
その子に恋人ができるのは嬉しいこと、結婚して幸せになってほしい。
この気持ちは子を想う親には必ずある感情です。
でも、たった2時間で「この子をたくせ」と言ってくる、明らかに自分達よりは若くて頼りない子どもを相手に、わが子の手綱を渡せるでしょうか?
渡せませんよね。
それが普通です。
両親がその子を育てた精いっぱいの想いがきちんと整理できるまで、まずは両親に時間をあげてください。
時間は必ず両親の心をほどいてくれます。
「今日、許してくれとはいいません。長い時間をかけて、認めてもらえるように頑張りますので、どうぞよろしくお願いします」
こんな一言が新郎または新婦からあれば、両親は安心できます。
即座に答えを求めない姿勢が、より誠実さを感じさせ、結果的には短期間で結婚を許されることにもつながるのです。
挨拶の成功とは何かを知っておく
心構えでもお話ししましたが、挨拶の成功とは何かを知っておくことが大切です。
「どうせ反対されるし」「親が来るなっていうし」=挨拶をしない=一生の後悔。
反対されること、来るなって言うこと、これは挨拶をしないでいい理由には一切なりません。
もちろん、それを理由に挨拶をしなければ、スムーズに結婚できるでしょう。
しかし、残りの人生を一生後悔して生きることになります。
祖父母に孫を見せられない、孫を祖父母と遊ばせられない、縁が切られてしまい疎遠で、自分側には親族が一人もいない。
次に顔を見たのは親の葬式の日、けんか別れしたまま挨拶もなく結婚して、知らない間に年老いて死んでしまった親を前に、あなたは何を思うでしょうか。
人は大人になれば必ず親の気持ちがわかります。
その時、親への感謝の想いが溢れてきます。
その感謝をどうにも返せないストレスは、一生後悔して生きる人生につながります。
反対されても「挨拶すること」に意味があります。
マナーを守って誠実に挨拶をしていれば、後は長い時間をかけて両親との関係を築くだけです。
すぐに許されなくても、長い時間をかけて家族になるための入り口、それが挨拶です。
そして長い時間をかけて関係性が築けて始めて、両親挨拶は成功したことになるのです。
相手の家族を好きになる努力をする
相手の家族を好きになる努力が大切です。
相手の家族とは、価値観も育った環境も違いますし、どこまで行っても他人です。
でも、結婚をする限り、まぎれもない家族の一員なのです。
相手の家族を好きになる努力を見せれば、相手も努力してくれます。
これは長い時間をかけてでも、両親挨拶を成功させるために、必須事項です。
実際に結婚を反対されていたカップルのケースをご紹介!
実際にあったケースに対してアドバイスがどう活きたかを、ご紹介しましょう。
私がプランナー時代に、両親に反対されることがほぼ確定しているカップルがいました。
新郎は初婚で20歳になったばかり、新婦は新郎より10歳以上年上でバツイチ、小学校高学年に通う連れ子が2人いました。
新郎側の両親は、「新郎が20歳になったばかりでまだ社会のことをあまり知らないこと」と「新郎にとっては難しすぎる結婚」だと判断し、新婦の挨拶前から挨拶を拒んで反対していました。
新郎は怒って、新郎両親に自分自身も会いに行かなくなりました。
そんなある日に相談をいただき、私からこの記事に書いたようなアドバイスを差し上げました。
新郎はまず、両親に対して今まで通りの良い息子に戻り、結婚したい彼女のことを両親に話し続けました。
両親は今まで何もできなかった息子が、家事もきちんとできるようになりしっかりしているのは、お付き合いしている女性のおかげなのではと思い始めます。
当初は絶対に連れてくるなと一点張りだった両親も、「どうせ反対でもいいなら連れてきなさい」と言い出します。
そして、いざ挨拶です。
もちろんこの日は、私のアドバイスで連れ子は知り合いに預けています。
子どもがいると両親も肝心な話をすることができませんからね。
彼女は完璧なマナーをこなし、両親が好きな手土産を持参しました。
けれど両親はもちろん反対のスタンスを崩しません。
「あなたの連れ子にとっても悪い結婚だ」なんて言い出します。
しかしここでも新婦は悪い顔1つせず、耐えています。
そして、彼女はこう切り出したのです。
でも○○さんが好きなんです。
結婚後は幸せだけでなく困難があると思います。
困難は彼1人でなく、私も頑張って2人で超えていきたいと思います。
今日は、すぐに許してほしいと挨拶に来たのではありません。
私も○○さんの家族を好きになりたいですし、○○さんの両親にも私を好きになってほしい。
長い時間をかけて、良い関係を築きたいと思っています。
子どもたちには複雑な夫婦関係に苦労をさせますが、そんなことでめげるわが子ではないと私は信じています。
今日は挨拶をさせていただいて、本当にありがとうございました。」
こう言って、ものの1時間半ほどで帰ったそうです。
その後、実はこのカップルの結婚式、とんとん拍子でうまくいったんです。
反対していた両親も、挨拶後1ヶ月ほどは首を縦には振りませんでしたが、1ヶ月という時間が心をほどき、両親に「OK」を出させました。
反対していた新郎の両親に話を聞くと、「あんなにいい人がお嫁さんで良かった」とまで言っていました。
新婦のきちんとした誠実な態度や、優しくても強い雰囲気、そして特に新婦の「そんなことでめげるわが子じゃない」という姿勢に、好印象を持ったそうです。
「そういえば、自分の息子が心配だと思っていたけれど、自分の息子だから信じてやるのも親の務めか・・・そう思ったんです。」と新郎の父は言っていました。
この家族は、もちろんすぐにではありませんが、今後双方が努力して良い家族の関係を築いていけることでしょう。
反対していた両親の心をほどいたものの陰には、アドバイス通りに基本的なマナーを全てこなしたことと、相手の心をわかってあげたこと、そして家族を好きになる努力をすると公言したことなど様々な成功の材料がありました。
今回のようにうまくいかなくても、マナーを守ってきちんと挨拶をすることは、いつか許してもらう為のスタートラインになります。
その為にも今回の記事をしっかり熟読して、両親挨拶をすることが大切です。
まとめ
両親挨拶は結婚の最も深い意味を持つセレモニーの1つです。
最近では、親とのカジュアルな付き合いを好む傾向から、挨拶も適当に済ませたり、むしろ挨拶もせずに入籍を済ませてしまったりするようなカップルも目にします。
「両親の気持ちなんて、私たちが愛し合ってたら関係ない!」これは間違いです。
正しくは「あなたを愛してるから、あなたの両親も好きになりたい」、それが結婚です。
その入り口であり、お二人の両親にとっても気持ちの整理を始めるきっかけとなるのが両親挨拶です。
この記事は普通に許してもらえそうなカップルはもちろん、ちょっと訳ありカップルにも対応した両親挨拶必勝法です。
必ず熟読して両親挨拶に備え、成功させましょうね。
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美エージェントのお勧め記事をお届けします。
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