
編集部です。
突然ですが、みなさんは自分の「汗のかきやすさ」についてどう感じていますか?
「真夏でもほとんど汗をかかない」なんてうらやましい人はのぞいて、運動したときや暑いときなど適度に汗をかくという人がほとんどですよね。
でも中には「手」にたくさん汗をかく人もいます。
それは運動や気温の変化ではなく、緊張やストレスといった精神的なものから肥満やホルモンバランスの乱れなど多くの原因があるとされています。
手汗で悩んでいる人の中には
手が滑って物を落としやすい、パソコンや携帯がベタベタになるなど日常生活で不便を感じているという人がいたり、
「彼女(彼氏)と手をつなげない」
「レジでお金を手渡すのが恥ずかしい」
など精神的な苦痛を感じている人も。
それってすごくつらいことですよね。
今回は手汗で悩んでいる人に向けて、考えられる原因や治療法(医療機関・自宅ケア)を徹底分析して、手汗の改善方法をご紹介!
どういうメカニズムで手汗が出ているのか、各治療にかかる費用や効果の程度など具体的に細かく説明していくので自分が望む解決法が見つかるはずです!
手汗の悩みを解決して、毎日の不安や心配をとりのぞきましょう。
芸能人も手汗で悩んでいた!
手汗をかいてしまうことに、不安に感じている人は少なくありません。
でも、テレビで活躍している芸能人の中にも手汗で悩んでいる人がいます。
自ら告白して話題となったのが俳優の水嶋ヒロさんです。
ツイッターで自身の手汗がすごいと明かし、雑誌の対談では「この手汗を許してくれる人」と恋人の条件をあげたこともあるそう。
そんな彼を理解し、受け入れてくれたのがまさに今の奥さんである歌手の絢香さん!
愛の前には、手汗などまったく問題にはならなかったようです。
手汗はどうして出てくるの?
手汗をかいてしまうのは、なぜなのでしょう。
それは、その人によってそれぞれ原因が異なります。
ここからは、たくさんある手汗の原因について、ひとつひとつ紹介していきましょう。
「私の手汗の原因ってこれなのかも…?」という判断材料のひとつになるかもしれません。
手掌多汗症(しゅしょうたかんしょう)
手汗の原因のひとつに手掌多汗症(しゅしょうたかんしょう)があります。
手掌多汗症とは脇の下、足の裏、頭など異常に汗をかく多汗症のうち、ある特定の部分だけに汗が出る局所性多汗症のひとつ。
その名の通り、手のひらだけに汗をかいてしまう病気です。
日常生活に支障が出てしまうほどの手掌多汗症は、年々患者数が多くなる一方…。
この病気の発症は男女差がなく、病院で治療をうけるのは10~30代の人が多いようですが、まれに幼少期から発症するケースもあります。
一般的に寝ているときの発汗量は少ないとされ、はっきりとした原因はいまだ解明されていないのが実情です。
手掌多汗症って何科?
手汗は多汗症以外の原因がある場合もあるので、まずは先生に診てもらい、原因を探っていきましょう。
その原因によって「どこの病院に行けばいいか」が明らかになるはずです。
また多汗症専門外来や発汗異常外来など、専門の窓口を設けた医院もあります。
足汗も加わった「手掌足蹠多汗症」も
足蹠多汗症は汗のせいで「靴をはいてもすぐに蒸れてしまう」「靴下がすぐ濡れてしまうので人前で靴を脱げない」などの悩みを抱えています。
また、手と足が両方組み合わさった「手掌足蹠多汗症(しゅしょうそくせきたかんしょう)」というケースもあります。
手掌多汗症の判断基準とは
病院に行く前に自分が手掌多汗症の可能性があるかどうか、なんとなく把握しておきたいという人もいるかもしれません。
そんな人には参考となる判断基準がありますので、ご紹介しましょう。
- 発症年齢が25歳以下であること
- 両側対称性であること
- 睡眠中は発汗が止まっていること
- 家族歴があること
- 週1回以上の多汗のエピソードがあること
- 日常生活に支障をきたす程の汗であること
東京医科歯科大学では、手のひら、足底、脇の下、顔面などの多汗症について、上のような判断基準を設けています。
この基準によれば2つ以上該当すると「手掌多汗症」と診断することができるそうです。
あくまでも自己判断は確実ではありませんが、自身の手汗の状態を確認するキッカケになるかもしれませんね。
「手掌多汗症」以外の手汗の原因
上で説明したような「手掌多汗症」以外にも手汗が出ることがあります。
手掌多汗症以外の原因について、ひとつずつ紹介していきましょう!
精神的な要因によるもの
ストレス
ストレスは「心と体に感じた刺激そのもの」なので、好きな人とデート中に緊張することをもストレスとなります。
生きていれば誰しもストレスを感じるのは当然のことといえます。
こうしたストレスが手汗の原因になっていることもあるようです。
精神性発汗
体の汗はどんなときに出るものなのでしょうか。
体が熱さを感じると汗を出してその熱を下げようとします。
これが「温熱性発汗」です。
また辛いものを食べて急に汗が噴き出すことがあります。
これを「味覚性発汗」といいます。
手汗に関係が深いとされている「精神性発汗」は緊張や不安など、精神的な問題により汗が出るもので、冷や汗などがこれにあたります。
この精神性発汗が通常より多くなることで、手汗がとまらなくなるケースがあります。
「代償性発汗」は手汗を改善するための手術で汗がとまっても、背中やお腹、お尻、太ももなど別のパーツに大量の汗をかくようになるもので、手術の副作用とされています。
体質が原因
手汗が出てしまうのは代謝が良く汗が出やすかったり、極度な緊張を感じやすいなど体質が原因となっていることもあります。
肥満
体温調節が正常に働きにくく、普通体型の人に比べて体温を戻すのに倍の時間がかかってしまうことも。
体温を下げるため、肥満の人はずっと汗をかいていることになります。
汗っかき体質
これは汗の出る汗腺も運動によってきたえられているから。
体温があがるだけで汗も出やすくなり、手汗も出てしまうという人がいるようです。
緊張や興奮しやすい体質
緊張や興奮しやすい人は感受性が豊かな人。
でもそうした緊張や興奮により「精神性発汗」を起こし、手汗が出やすくなってしまう場合もあります。
生活面が原因となってるもの
手汗が出やすいという人は、普段の生活が手汗を引き起こしている可能性もあります。
運動不足
でも日ごろ運動していないとその力が衰え、いざ「汗をかくぞ!」というときにコントロールが狂い、ずっと汗がひかない… といった状態になることがあります。
姿勢の悪さ
この自律神経を乱す原因のひとつが「姿勢の悪さ」です。
姿勢が悪いと「横隔膜」という呼吸に関連する筋肉が退化してしまい、うまく呼吸できなくなります。
すると体全体のバランス、つまり自律神経も乱れてしまい、手汗につながってしまうのです。
食事
この汗は味覚性発汗で自然な生理現象ですが、こうした食べ物を好んで食べ続けていると、体が汗をかきやすい体質に変わってしまうことがあります。
コーヒーの飲みすぎ
カフェインには交感神経を刺激する効果があるといわれ、飲んでから30分ほどで手汗がひどくなる場合があります。
ホルモンバランスが原因(女性特有)のもの
女性は月経時や妊娠中にホルモンバランスが乱れやすくなり、手汗が多くなってしまうことがありますが、一時的なものである場合が多いようです。
また、女性ホルモンの分泌は年を重ねるごとに減っていくため、これまでのホルモンバランスを保てなくなり、手汗の症状となってあらわれることもあります。
病気などの疾患
精神的な原因や生活面、ホルモンバランスに関連しない疾患により、手汗が増えることもあります。
疾患が原因の手汗にある特徴は、手だけでなく、全身の汗量が増えることです。
もしも、手汗同様に体にも汗をかく場合には、こちらの可能性を疑ってみてください。
自律神経失調症
自律神経は昼間などに活発な交感神経と、夜やリラックスして活発になる副交感神経があります。
この2つの神経のバランスがとれなくなると「自律神経失調症」となり、手汗を招いてしまいます。
結核
微熱などを下げるため、汗をかきやすくなります。
特に寝ている間の汗がひどい場合は、結核の可能性があります。
甲状腺亢進症
そのため手汗に限らず、全身に大量の汗をかくようになります。
褐色細胞腫
そのため、手汗の量が増えてしまうのです。
糖尿病
合併症になってしまうと呼吸や体温などの働きをコントロールする自律神経が乱れ、異常に汗が出るなどの症状があらわれます。
急性関節リウマチ
これは細菌による感染により、39度前後の高い熱や関節炎、心臓病変を伴うこともあります。
プランマー病
血液中に分泌されている甲状腺ホルモン。
これが多量に分泌されてしまう病気が「プランマー病」です。
甲状腺ホルモンは多すぎると多汗、手の震え、情緒不安定などの症状を引き起こします。
更年期障害
更年期になるとホルモンバランスが減少して乱れ、暑くないのに大量の汗をかいてしまう「ホットフラッシュ」になる人も。
更年期障害は女性のイメージがありますが、実は男性にも更年期障害があります。
こうしたホットフラッシュで手汗が増えてしまう、ということもあるようです。
生殖器障害
更年期障害とも関係が深く、女性の場合は卵巣機能が衰えてくると女性ホルモンの分泌が少なくなり、ホルモンバランスが乱れ、手汗だけなく頭や胸、お腹や背中など全身に汗をかきやすくなります。
男性の場合は生殖器障害と多汗のつながりは薄いものの、生殖器障害と更年期障害はつながりが強いため、更年期症状のひとつである多汗に注意する必要がありそうです。
手汗を止める方法・治す方法! 自宅ケア編
手汗の原因がいろいろ分かってきたところで、いよいよ手汗を止める、治療する方法をご紹介していきましょう。
「とにかく今すぐ手汗をおさえたい」という人も、「手汗自体、かかないようにしたい」という人も悩みを解消できる術がきっと見つかるはずです。
手汗に効果がある制汗剤を使用する
- 手掌多汗症など多汗の疑いがある方
- 緊張やストレス、興奮を感じやすい体質の方
- 肥満、汗をかきやすい体質の方
- 自律神経の乱れを感じている方
- ホルモンバランスが崩れている方
- その他、病気が原因で手汗が出ている方
手汗に制汗剤を使用すると、一時的ではありますが汗をおさえたり、止めたりすることができます。
制汗アイテムはどれもコンパクトで軽く、持ち運びにもとても便利!
お出かけ前や外出中のケアにぴったりです。
自分の手汗状態に適した商品を使ってみるのも良さそうですね。
制汗剤の選び方
制汗剤にはいろんな種類があることをご存じの方も多いでしょう。
具体的には下記のようなタイプがあります。
- パウダータイプ
- ローションタイプ
- ロールオンタイプ
- クリームタイプ
タイプでいえば、空気中に放出されるスプレータイプよりも、肌に直にぬりつけるローション、ロールオン、クリームタイプがおすすめです。
どんな制汗剤も汗を抑える制汗、汗臭さをおさえる抗菌・殺菌成分を含んでいますが、特に手汗に有効なのが「塩化アルミニウム」という成分です。
塩化アルミニウムは汗腺をふせぎ、汗をおさえる強い制汗作用があります。
制汗剤はこうした成分が配合されたものであるか、チェックしてみましょう。
ちなみに、手汗には殺菌や香料は必要ありません。
不必要な成分が過剰に配合されていないかどうか、注意しながら選ぶといいですね。
おすすめの制汗剤一覧
「ファリネ」
コンパクトなサイズは持ち運びしやすい!
口コミでも「商品のデザインが手汗対策商品っぽくない。高級コスメみたいで、持ち歩いていても恥ずかしくない」と女性からの評価が高いようです。
「デトランスα」
使い方は1日1回お風呂上がりに、水気をふいた手に適量とってよく乾かします。
2週間~1ヶ月継続使用し、改善してきたら週に5回、3回とじょじょに使用頻度を減らします。
口コミでは「2週間ほどで、手汗量が半分ぐらいに」と効果を感じている人も多いよう。
ただ、使用量が多すぎるとかゆみを感じるケースも。
その場合は量を調節しながら使っていきましょうね。
「フレナーラ」
有効成分が汗腺にまで浸透するように開発されました。
7種類の植物エキスを配合したジェルでベタつかないのも特徴的!
これまで液体タイプの制汗剤を使って「乾かすまで時間がかかる」と悩んでいた人も「フレナーラは塗った後すぐにサラサラするので快適」と好評のようです。
「あせしらず」
カリウム不足は、手に大量の汗をかく原因になることもあります。
毎日の食生活で不足しがちなこのカリウムも、あせしらずなら1日5粒で手軽に摂ることができます。
少し土臭ささがあるのがデメリットですが、体の中から手汗ケアができるのはうれしいですね。
日常生活で気にしすぎないようにする
- 精神的な要因で手汗が出てしまう方
手汗が人より多いかも… そう感じると、程度の差はあれ誰しも不安になるもの。
心の変化が手汗に影響を与えることもあります。
そんなときは気持ちを楽に保てるよう、意識してみるといいですね。
気にしない
ただ汗のことが気になるあまり、消極的になりすぎてしまうのはなんだかもったいない…。
この記事を読めば手汗を改善する方法が見つかるはず!
今すぐに改善策を試せなくても「なおす方法がある」と知ることで、悩みすぎないようにしましょう。
時間に余裕を持って行動する
仕事でもプライベートでも抱きがちなのが「遅刻してしまうかも」という不安。
そんな不安を未然に防ぐために、いつも時間に余裕を持って行動するという方法も、効果があるかもしれません。
「まだ時間がある」と思うだけで、気持ちにゆとりも持てますね。
お気に入りの香りをかぐ
さまざまなヒーリング効果を持つ香りがありますが、おすすめはハーブです。
飲んでも、香りをかいでも体にいい影響を与えるハーブには、実にさまざまな種類があります。
気分が落ち着き、リラックスすることは手汗の量をおさえることにも役立ちます。
「香りに癒される」という習慣のない人は、ぜひお気に入りの香りを探してみてくださいね。
半側発汗
- 手掌多汗症の疑いがある方
- 体質が原因の方
普段の生活の中で手汗をとめたい、という人におすすめなのが「半側発汗」を利用した方法!
私たちの体には強く圧迫すると汗が減り、圧迫していないほうの汗が増えるという半側発汗とよばれる性質があります。
これは化粧崩れの許されない舞妓さんが、帯を胸の高さで締めることで胸を圧迫し、顔の汗をおさえるという話でも有名!
正しい位置は、バストトップから5cmほど上のところです。
この部分を圧迫するように強く腕組みをすると、その間上半身の汗を減らせるといわれ、手汗にも効果があります。
腹式呼吸
- 精神的な要因で手汗が出てしまう方
半側発汗と同じように、普段の生活にとりいれられる手汗改善の方法に「腹式呼吸」があります。
人はイライラしたり、緊張したり、不安を感じると交感神経が活発になり、手汗がひどくなってしまいます。
手汗をおさえるには副交感神経を優位にする必要性がありますが、リラックスに最適な呼吸法が腹式呼吸です。
肩の力を抜いて背筋を伸ばし、鼻から大きく息を吸いこんだら、お腹をへこませながらゆっくり吐きだします。
ポイントは「とにかくゆっくり、深く息を吐ききること」!
副交感神経を優位にするためには吐く息に意識を向けることが大切です。
ツボ押し
- 精神的な要因で手汗が出てしまう方
- 体質が原因の方
日常的にツボ押しをとりいれている人は、手汗に関係するツボを知っておくのもいいでしょう。
手汗に直接効果のあるツボはありませんが、手汗の原因が精神性のものだった場合、緊張や不安を解消するツボを押してみるのもいいでしょう。
手の甲の親指と、人差し指の骨が交わるくぼみにある「合谷(ごうこく)」は、ストレスや不安をやわらげてくれます。
小さく手をにぎってこぶしをつくったら中指の先端にあたる、手のひらの真ん中にあるツボが「労宮」です。
このツボは手汗を引き起こす交感神経の緊張をおさめてくれるので、手汗予防におすすめです。
漢方薬
- 体質が原因の方
手汗には外からのケアもありますが、中からのアプローチのひとつとして考えられているのが、漢方薬です。
漢方は専門分野のため、症状によっては月に1~3万円程度の費用がかかりますが、中からじっくり不調をととのえてくれます。
手汗に関係する漢方薬について詳しく紹介していきましょう。
漢方では、気・血・水の3つがのバランスが大事とされています。
これらのうち、どれかが滞り、水分の代謝異常を引き起こすことがあります。
この異常は局所的な多汗としてあらわれることもあり、それが手汗を招いてしまうことも。
その異常に働きかけ、整えてくれるのが
- 桂枝加黄耆湯(けいしかおうぎとう)
- 五苓散 (ごれいさん)
などの漢方薬です。
漢方薬を飲むタイミングは、基本的には食前(食事30分前)と食間(食後2時間)とされています。
これは、食後すぐに飲むと胃で消化した食べ物と生薬が混ざり合って吸収されてしまい、効果が薄まるため。
できれば空腹で飲んだほうが吸収されやすく、効果を発揮しやすいです。
水か白湯で飲むようにしましょう。
また、漢方薬を飲みたいと思ったら一度漢方薬局などで問診をしてもらいましょう。
自分の体の状態にあった専用の薬を調合してもらうことで、より安心して漢方薬と付き合うことができますよ。
ミョウバン
- 手掌多汗症の疑いがある方
- 病気などの疾患による手汗がある方
- 体質が原因の方
- 精神的な要因で手汗が出てしまう方
とにかく費用をかけずに、一時的に汗をとめたい!
そんな人におすすめなのが、制汗アイテムよりも費用がかからず、強い制汗効果があるミョウバンです。
ミョウバンはスーパーなどで100~200円程度で販売されています。
ナスなど、野菜の色落ちを防止する着色作用でよく知られていますが、実はそのほかにも肌の「収れん作用」があり、これが汗の出る汗腺を引き締め、手汗をおさえることができます。
手汗には、ミョウバンと水でつくる「ミョウバン水スプレー」がおすすめ。
ミョウバン10gと水道水300mlをペットボトルにいれてよくふり、2~3日冷蔵庫で保存して中の液体が透明になったら「原液」の完成!
この原液を10~20倍に薄め、スプレーボトルなどにいれます。
そして手の水気をしっかりふいてから、手のひらに吹き付けましょう。
しっかり塗れば、夜まで手汗が気にならないという人もいます。
原液は冷蔵庫で1カ月、持ち歩き用の薄めたスプレー液はできれば1週間で使い切りましょう。
クールベジタブル
- 体質が原因の方
手汗を食生活から改善したい!
そんな人には「クールベジタブル」がおすすめ。
クールベジタブルは、水分量とカリウムが多く含まれている野菜のことで、カリウムには体の熱を発散させる効果があります。
体のほてりがおさまらず手汗がいっこうにひかないという人は、クールベジタブルと呼ばれるトマト、なす、きゅうり、ピーマンなどの野菜を積極的に摂りましょう。
すると体の熱が水分で吸収され、尿として体の外に排出されます。
これにより体温が下がり、手汗の量をおさえることができるのです。
クールベジタブルのカリウムは水に溶けやすいので、熱を加えると失われる恐れがあります。
食べるときはサラダや野菜スティックなど「生」のままいただきましょう!
旬の野菜は価格が安く、お財布にやさしいのもうれしいですね。
大豆イソフラボン
- ホルモンバランスの乱れが原因で手汗が出てしまう方
手汗改善のついでに、体全体の不調もととのえたい!
そんな人は「大豆イソフラボン」を食生活に摂りいれてみてはいかがでしょうか。
大豆には「イソフラボン」という成分がたくさん含まれています。
イソフラボンは女性ホルモンに似た構造を持っており、ホルモンバランスの乱れを整えて、発汗をおさえる働きがあります。
男性もイソフラボンを摂ることで女性ホルモンの効果を得ることができますよ。
手汗を止める方法・治す方法! 病院での治療編
手汗を病院で治療する場合、どんな方法があるのでしょうか?
ここからは精神療法から専用機器を使った治療法まで、あらゆる治療法をご紹介していきますね。
精神療法
- 精神的な要因で手汗が出てしまう方
手汗で悩んでいる人の中には、必要以上に思いつめてしまう人もいるかもしれません。
まずはそうした心のケアで、手汗の不安をやわらげる治療法があります。
医師によるカウンセリング
医師によるカウンセリングや次に紹介する心理療法などは、そうした予期不安をとりのぞき、手汗による不安や心配などのメンタル面をケアする方法です。
心理療法
心理療法を施すことで、自分が抱いている「汗」のマイナスイメージや「私が悪いのかも」という罪悪感をなくします。
このように心理療法は「気持ちを楽に保つ」効果が期待されています。
自律訓練法
手汗を自分の力でコントロールしたい。
そんな人には「自律訓練法」を実践するのもひとつの方法です。
緊張状態で手汗が出てしまう場合、リラックスするためには自律神経が大きく関係します。
自律神経をコントロールするのはとても難しいのですが、具体的にアプローチする練習法があります。
それが自律訓練法です。
ドイツの精神医学者シュルツが発案したこの自己催眠法は、手汗以外の局面でも(ストレス)役に立つものです。
ではどうやって行うのでしょうか。
やり方について、説明していきましょう。
- 体を締め付けない、リラックスしやすい服装に着替える。
- 静かで、照明をほどよく落とした部屋で仰向けになる(イスに深く座った姿勢でもOK)。
- 下記の順に頭の中で反芻し、暗示をかける。
- 「手足が重たい」
- 「手足が温かい」
- 「心臓が静かに打っている」
- 「呼吸が楽」
- 「お腹が温かい」
- 「額が涼しく、心地よい」
順番にゆっくりと暗示をかけていくことで、自律神経をコントロールするコツが分かり「リラックス状態」を意図的につくりだすことができるようになります。
1日2回、毎日続けてみましょう。
コツをつかむまでには数か月かかりますが、マスターすれば一生ものになりますね。
薬物療法
- 手掌多汗症の疑いがある方
- 病気などの疾患による手汗がある方
制汗剤の使用や心理療法以外の方法で手汗をおさえたい、という人には薬を飲むという方法もあります。
詳しく紹介していきましょう。
神経遮断薬
神経遮断薬は、汗腺を刺激して汗を出す「アセチルコリン」という神経伝達物質の放出を妨げます。
この薬を使うと汗の量が減り、手汗の量に変化を感じることができます。
有効成分とされるのが「プロパンテリン」というもので、服用して15分以上から効果を感じ始め、3~4時間ほど継続して汗の量を減らします。
ただ眠気や便秘などの副作用がでることもあるので人によっては注意が必要です。
精神安定剤
たとえば「失敗できないプレゼンがある」「大事なデートの日」など、どうしても緊張してしまうシーンで服用すれば精神的な安定が得られて緊張感がやわらぎ、手汗をおさえることができます。
精神安定剤は月に1~2度の通院、薬代で2000~5000円程度かかります。
一時的な対処法として、こうした方法もあることを覚えておきましょう。
塩化アルミニウム外用制汗剤
各医療機関で価格設定が異なりますが、100mlで800円~1500円が相場となっています。
「寝る前に手のひらにぬって、起きたら洗い流す」という使い方で、皮膚に塗ると一時的ではありますが汗を出にくくしてくれます。
塩化アルミニウムはかいた汗を結晶化させ、汗の出る穴にふたをして汗をとめます。
汗をかいた状態で塗っても肌の上で結晶化するだけで、汗の出る穴にふたをすることができません。
そのため、汗をおさえるには「汗をかいていない状態」で塗る必要があります。
治療器具
- 手掌多汗症の疑いがある方
- 体質が原因の方
痛いのが苦手、薬も飲みたくない!
でも制汗アイテムを上回る効果が欲しい!
という人には専用の治療機器を使う治療法がおすすめ。
どんな風に治療し、効果はどのくらい持続し、どのくらいの費用がかかるものなのでしょうか?
イオントフォレーシス
とても弱い電流の流れる水に、20分ほど手をひたす治療法を「イオントフォレーシス」といいます。
これは電流の流れた水に手をひたすことで汗腺にダメージを与え、汗を減らします。
保険が適用されるため治療費が1回1000~2000円程度と安い、治療が簡単というメリットはありますが、定期的な通院が必要なため、手間がかかります。
また通院をやめてしまうと効果もなくなってしまうため、継続の努力もいるようです。
そのため、最近では自宅でおこなう「ドライオニック」という専用機器も販売されています。
イオントフォレーシスを家庭でできるよう開発されたドライオニックは、アメリカのジェネラル・メディカル社が販売しており、定価は34500円。
手汗をおさえるためには「1日30分を約2週間」繰り返す必要があり、効果を感じ始めれば週1~2度の頻度にすることも可能です。
簡単に使い方について紹介しましょう。
- 付属容器に水をいれ、フェルトパットを5分浸す。
- 1を軽くしぼり、アルミプレートの上に置く。
- 水をいれた容器に手を入れる。
- ダイヤルスイッチを回して30分程度ひたす。
使用後はスイッチを切って手を拭き、パットを乾かします。
手をいれたとき、その水位が縁から1㎝ほど下にくるラインがベストです。
手に傷などの皮膚トラブルがある場合は、かぶれやピリピリ感を防ぐためにワセリンをぬってから行いましょう。
ドライオニックはネットオークションでも手にいれることができますが、故障トラブルや不良品にも対応してもらえる正規店経由の個人輸入業者などから購入しましょう。
ビューホット
保険適用対象外なため、治療費は30万円前後と高額ですが、皮膚を切る必要がないので「手術は怖くてできない」という人におすすめ。
また術後1~2週間は針の跡で赤みが出ますが、皮膚を切らないので手術跡も残りません。
治療時間が30分以内と短いのもポイントで、1日の通院ですみます。
ただ、ビューホットは全く汗が出なくなるわけではないので、事前に医師と治療法について確認・相談しながら検討しましょう。
注射
- 手掌多汗症の疑いがある方
- 体質が原因の方
多少の痛みは我慢できるから、簡単に長期間手汗をおさえたい。
そんな人には手汗をおさえる注射があります。
ボツリヌス注射(ボトックス注射)
神経遮断薬と同じように、アセチルコリンの放出を妨げ、汗の量を減らす効果があります。
保険の適用がきかないので費用が5~15万円と高額になってしまいますが、ピンポイントに汗の量を減らすことができるので、手汗の症状にはおすすめです。
注射した翌日、遅くても3日後までの間に手汗の量が減り始め、3~6ヶ月ほど効果が持続します。
手術
- 手掌多汗症の疑いがある方
- 体質が原因の方
どんな治療法でもいいから、二度と手汗をかかないようにしたい!
そんな決意のある人、そして医師からも手汗レベルが重いと判断された人には、手術という方法があります。
胸腔鏡下交感神経節遮断術(きょうくうきょうかこうかんしんけいせつしゃだんじゅつ)
保険適用が効くため費用は10万円前後。
脇の下に数mmの穴を開け、胸部にある「手のひらに汗を出せ!」と命令している交感神経(交感神経節)をとりのぞくことで、ほぼ完全に手汗を止めることができます。
ただ手汗をかかない代わりに別の場所から汗が出る「代償性発汗」を起こす可能性があるため、医師との相談・話し合いが必要不可欠です。
胸部交感神経節ブロック(きょうぶこうかんしんけいせつぶろっく)
ETS手術が登場するまでは、この方法が唯一、長く手汗を止める方法でした。
ただ、手術が難しく、たいてい1年以内に再発するため、現在ではあまり行われていません。
まとめ
手汗で悩んでいる人に向け、手汗のさまざまな原因と医療機関・自宅ケアを含めた改善法を紹介してきました!
自分に合った改善法が、少し具体的になってきたでしょうか?
試してみた改善法に効果が感じられない場合は、諦めずに別の方法にトライしてみてください。
手汗はなおります!
手汗のことなんて気にならない毎日が待っていることを信じて、今回の記事をぜひ参考にしてみてくださいね。
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