
傷跡の治りにくさを実感しているERIKOです。
手で頬を触るぶんには治ったように思えるときでも、鏡を見ると・・・
顔にいつまでも居座るニキビ跡、本当に腹立たしいですよね。
子どもの擦り傷は翌日には消えているのに、なぜ大人は治らないのでしょう?
それはずばり、肌のターンオーバーが正しく機能していないから!
逆に言うと、健康的な肌のターンーオーバーを取り戻すことで傷跡は自然に消えていくのですが、それは口で言うほど簡単なことでもありません。
そこで今回は、ニキビ跡を確実に治すための方法を徹底ツイキュウ!
ターンオーバーの促進をバックアップするポイントを押さえていくことで、大人のニキビ跡も消すことができますよ。
気長な取組みは必要ですが、諦めないでチャレンジしていきましょう。
病院での治療についても後半で詳しく解説しておきますので、気になる方はそちらもチェックしてくださいね。
対処法はそれぞれ。まずはニキビ跡の種類を把握しよう!
ニキビ跡とは、肌に出来た炎症後の傷あと、または色素沈着等による赤みやシミの状態のこと。
ニキビ跡は大きく4種類に分かれます。
対処法はそれぞれ違うので、まずは自分のニキビ跡がどのタイプかを正しく把握しましょう。
赤味が残るタイプ
赤みが残るタイプのニキビ跡は、ニキビの炎症により周辺の血液の流れが滞り、うっ血している状態です。
皮膚を再生させるために毛細血管が増え、拡張することも赤みの原因。
赤みは目立つので気になりますが、まだ色素沈着はしていないので、ニキビ跡としては軽度と言えます。
【なりやすい肌質】 皮膚が薄い人
シミが残るタイプ(色素沈着タイプ)
シミが残るタイプのニキビ跡は、メラニン色素が正常にターンオーバーせず、色素沈着を起こしている状態です。
紫のシミは毛細血管からにじみ出た血液が酸化したものでアザに近く、赤みタイプがやや悪化したニキビ跡。
茶や黒のシミは炎症後色素沈着とも呼ばれるもので、いわゆる「本物のシミ」なのでやや難敵となります。
【なりやすい肌質】 日焼けで黒くなるタイプの人
クレーターが残るタイプ
クレーターが残るタイプのニキビ跡は、繰り返しできる炎症や間違ったケアにより真皮がダメージを受け、コラーゲン組織が破壊されて落ちくぼんでしまった状態です。
真皮は肌のターンオーバーでは再生されないので完全に治すのは難しいのですが、マシにしていくことは可能です。
クレータータイプにも、いくつかのタイプがに分けることができます。
肌のダメージを受けた部分は再生する過程でコラーゲンが増殖し(線維化)、元の状態より変性してしまいます。
そのような過程を経て残るのが瘢痕、要するに傷あとです。
下記の図では、「皮膚組織が変性して大きなダメージが残っている部分」と解釈してください。
毛穴拡大タイプ(毛包周囲瘢痕)
隣り合う複数の毛穴がつながり、大きく目立つ凹みになってしまうこともあります。
広く浅いタイプ(浅斑状瘢痕)
皮膚の薄い人がなりやすいタイプで、クレーターが浅いためスキンケアや治療による改善も見込めます。
広く深いタイプ(深真皮瘢痕)
皮膚の厚い人やニキビが大きな炎症になりやすい人に多いタイプです。
アイスピックタイプ
ローリングタイプ
ボックスカータイプ
真皮層の浅い部分にとどまっているタイプと、真皮層の深い部分まで陥没しているタイプがあります。
脂肪委縮タイプ
脂肪がが収縮してしまって、皮膚の表面が凸凹になります。
ケロイド、肥厚性瘢痕、しこり(硬結)が残るタイプ
ニキビ跡がしこりやケロイド状になるのは、皮膚が再生するときに過剰にコラーゲン線維が作られてしまうため。
ニキビ跡がしこりになるのは硬結ですが、体質によってはまれにひどいケロイド状になる場合があり、こちらは硬結とは別の症状です。
いずれもスキンケアでは治せませんが、病院での治療により改善することは可能です。
- 徐々に範囲が広がっていくのが真性ケロイドで、範囲が広がらないものは「肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)」です。
真性ケロイドは遺伝性、肥厚性瘢痕は高血圧の人がなりやすい症状です。 - ニキビのような炎症を伴うしこりは、ブドウ球菌による毛嚢炎(毛包炎)である可能性があります。
ニキビ跡を改善する生活習慣
聞き飽きているかもしれません肌の正常なターンオーバーを取り戻すには健全な生活習慣が大切。
ニキビ跡を薄くするためにも、新たなニキビを作らないためにも、本気で治したいなら手抜きせず取り組みましょう。
バランスの良い食事
仕事が忙しくて睡眠やストレスはどうにもならない、という方も、とにかく食事は気を付けてください。
人間の体は食べたもので作られるからです。
肌のターンオーバーを促進するためには、以下のポイントに気を付けると効果的です。
ビタミンACE+ビタミンBを摂る
粘膜を保護するビタミンA、美白効果があるビタミンC、抗酸化作用で老化を防ぐビタミンE、どれも大切です。
ビタミンCとビタミンEには、シミを引き起こす原因となる活性酸素を抑制してくれる働きもあります。
また、「チョコラBB」などでもおなじみのビタミンB群も皮膚の再生に有効なので積極的に摂りましょう。
食事で摂るのがいちばんですが、美白効果のあるビタミンC、肌のターンオーバーを促進するビタミンB群のサプリメントを利用するのもいいですね。
タンパク質を摂る
新しい皮膚を作る材料となるのはタンパク質で、野菜の栄養素はその働きをバックアップするものだからです。
タンパク源は肉でなく、魚や豆類でもいいのですが、野菜と一緒に摂るようにしましょう。
カロリーが気になる人には、鶏むね肉やササミ、豆腐など、高タンパク低カロリーな食材がオススメです。
食物繊維を摂る
これが肌のターンオーバーに悪影響なのは言うまでもありません。
肝機能を高める食材を摂る
肝臓が弱ると体内で正常にデトックスできなくなり、メラニン色素の発生を抑制するグルタチオンという成分を生成する力が弱まってシミができやすくなってしまうのです。
肝機能を高める食事はビタミン、タンパク質、食物繊維ですので、上記の食生活を意識していれば問題なし。
健康診断で肝機能の問題が指摘されている人は放置せず、早急に対策するようにしましょう。
良質な睡眠
肌のターンオーバーは寝ている間に促進されますので、睡眠は非常に大切。
仕事が忙しくて睡眠時間の確保が難しいという人でも、睡眠の質を高めることはできます。
就寝時間と起床時間を決めて規則正しく寝起きする、寝酒をしない、夕方以降はカフェインを摂らない、しょうがなど体を温める食材を摂る、就寝の1~2時間前に湯船に10分以上浸かるといった工夫が効果的です。
ストレス解消
ストレスが溜まると自律神経が乱れて肌のターンオーバーの周期が崩れてしまいます。
ストレスは解消しようと思ってできるものではありませんが、ストレスの抵抗力を高める効果のあるビタミンCを摂取する、睡眠の質を高めてリラックスする、適度な運動をするといった心がけをしていきましょう。
適度な運動
運動嫌いの人にはピンと来ないかもしれませんが、適度な運動はストレス解消効果があります。
特に、有酸素運動は副交感神経が活発になって自律神経も整えてくれるので効果的。
有酸素運動としてはウォーキングが手軽ですが、腹式呼吸をマスターできるヨガには脂肪燃焼や睡眠の質の向上など総合的な効果がありますので、気になっている人はこの機会に始めてみてはいかがでしょうか。
ちなみに、ウォーキングと散歩は違いますので、ウォーキングするなら正しいやり方を調べてからにしましょう!
※参考:「体幹ウォーキング」
禁煙
喫煙がストレス解消、という人もいらっしゃるかもしれません。
ですが、タバコは美白のビタミンであるビタミンCを破壊してしまうことがわかっています。
ニキビ跡を治したいなら、がんばって禁煙(せめて大幅な減煙!)しましょう。
ニキビ跡を改善するスキンケア
生活習慣の改善は基本ですが、スキンケアにもいくつかコツがあります。
赤味が残るタイプ向けのケア方法
ニキビ跡としては初期段階の症状なので、洗顔+しっかり保湿という正しいスキンケアで改善していくことができます。
赤みがある=まだ皮膚のバリア機能は落ちている状態なので、強い刺激を与えるようなスキンケアは避けましょう。
洗顔
角質を取り除くピーリング石鹸も効果的ですが、週1~2回の使用で充分です。
保湿
化粧水や美容液の有効成分の浸透を高めるための導入液(導入型柔軟化粧水)を使うと、より効果を高めることができます。
洗顔⇒導入液⇒化粧水を含む通常のスキンケア、という手順です。
イオン導入
美顔器ですが、美白効果の高いビタミンCを導入するので赤みやシミのニキビ跡の改善も期待できます。
使いすぎると肌にダメージを与えてしまうので、使用は週1~2回が適切です。
シミ(色素沈着)タイプ向けのケア方法
スキンケアの基本は、上記の赤みが残るタイプと同じです。
但し、すでに色素沈着してしまっているので追加で以下のようなポイントに気を付けてください。
UVケア(紫外線対策)
季節や天候を問わず日焼け止めを塗る、日差しが強い日はさらに日傘や帽子で防御するといった対策をしましょう。
美白成分を含む化粧水
クレーター、ケロイド、肥厚性瘢痕、しこりが残っている人向けのお勧めケア方法
残念ながら、自宅でのスキンケアで完治させることはできません。
ですが、正しいスキンケアは悪化させないために必要なので、上記で紹介した洗顔や保湿の方法は参考にしてください。
ケロコート
効果には個人差があるようですが、盛り上がった手術痕などが改善されたという声もあります。
輸入品なので、通信販売で偽物を購入してしまわないようにくれぐれも注意してください。
大規模なドラッグストアでも取り扱っている場合があるので、都市部在住なら店頭で買うのが安心です。
ニキビ治療と並行する場合の注意点
現在進行形のニキビとニキビ跡が共存している場合も多いかと思います。
そんなとき、ニキビの治療と並行してニキビ跡も改善していきたい、と思うのは当然のこと。
ですが、ニキビ跡に効果のある美白化粧水やピーリング洗顔は炎症を起こしたニキビ肌には刺激が強すぎます。
そして、今あるニキビを悪化させてしまうと、結果的にニキビ跡を増やしてしまうことになります。
ニキビ跡をケアしたい気持ちはグッと抑えて、まずはニキビケアに集中してください。
病院(美容クリニック等)での治療
ニキビ跡は病院で治療することもできます。
診療科は処置や治療法によって異なりますが、皮膚科、美容皮膚科、美容外科、形成外科など。
セルフケアでの改善に限界を感じたら病院で相談し、医師と二人三脚で取り組むのもひとつの方法です。
病院でのニキビ跡治療の多くは、薬剤や光の照射で肌を削ることで皮膚の再生を促します。
施術後、肌が再生するまでの間に赤みや腫れを伴うことがあり、この期間をダウンタイムと呼びます。
ダウンタイムが短い最新型の美容機器も続々と登場しているものの、一般的には効果の高い治療ほどダウンタイムが長く、症状が重いという相関関係があります。
外出やメイクができないほどの症状が1週間以上続く治療もありますので、そのような治療を受ける場合は生活サイクルや行事予定を調整して治療のスケジュールを組まなくてはなりません。
【UV対策】
ダウンタイムとも深く関係するのですが、レーザー治療やピーリングで皮膚が薄くなっている状態で紫外線を浴びてしまうと、肌へのダメージが大きく、逆効果となってしまうリスクがあります。
数日間は外出禁止となるような治療もありますので、季節も踏まえてタイミングの検討が必要です。
レーザー治療
インターネットで検索すると、レーザー治療にまつわる単語が無数に出てきます。
商品名(機器名)の違いで同じような内容の処置もあるので、調べれば調べるほど混乱してしまうことも多いでしょう。
ここでは、ニキビ跡治療に関するレーザー治療の用語をできるだけわかりやすく整理してお伝えします。
【料金】
顔全体か一部分かなどの治療メニューによっても異なりますが、料金は概ね1回数万円~というが主流です。
肌のターンオーバーの周期に合わせて、複数回の施術が基本です。
レーザーの照射方法に関する用語
レーザー治療はレーザーの種類だけでなく、その照射方法によっても分類されます。
照射方法 | 説明 |
---|---|
ablative型 (アブレーティブ型) | 肌の表面を蒸散させる(気化させて削る)方法です。 皮膚を削るためダウンタイムは長くなりますが、肌を再生させる効果は高いです。 |
non-ablative型 (ノンアブレーティブ型) | 皮膚を削らず、肌の内部に熱作用を与えてターンオーバーを促進する方法です。 ablative型に比べるとダウンタイムは短くなります。 ※ablative型とnon-ablative型のハイブリッド型の機器も登場しています。 |
フラクショナルレーザー | 肌の表面に点状にレーザーを照射することで、肌への刺激を減らした方法です。 エルビウムグラスレーザーを照射するフラクセルのほか、炭酸ガス、エルビウムヤグ、Er.YSGGを照射するフラクショナルレーザーが普及しています。 |
Qスイッチレーザー | 5000万分の1秒という極端に短い時間に高エネルギーで照射する方法です。 肌への負担を減らしつつ、肌の奥深くの色素にまで効果を及ぼすことができます。 ルビー、Nd:YAG、アレキサンドライトの3種類があり、各々得意分野は異なります。 |
ロングパルスレーザー | Qスイッチレーザーとは逆に、低出力で比較的長い時間する方法です。 照射するエネルギーの総量は同じでも、高エネルギー×短いパルス幅の照射と低エネルギー×長いパルス幅の照射では効果も用途も異なります。※パルス幅=照射時間 |
レーザーフェイシャル | 出力の弱いレーザーを顔全体に照射する方法で、シミやくすみに効果があります。 色素レーザーやアレキサンドライトレーザーが使われるのが一般的です。 |
レーザーの種類に関する用語
一般的に、波長が長いほど皮膚の奥深くまで届き、真皮や皮下組織の瘢痕や色素に効果を発揮するとされています。
しかし、どの治療法をどのような設定で何回行うのかは各医師の判断となり、パルス幅(照射時間)や出力の強さによって効果の出方や深達度(レーザーの届く深さ)は変わるので、下記はあくまでもニキビ跡治療時の一般論となります。
【ablative型】
レーザーの種類 | 説明 | 波長 | 適応 |
---|---|---|---|
炭酸ガスレーザー (CO2レーザー) | 炭酸ガスを用いたレーザー照射で、皮膚の奥深くまで浸透して皮下組織を蒸散させるタイプで、ablative型の代表格です。 1週間~数ヶ月程度のダウンタイムがあります。 【機器名、治療名】 CO2エスプリ、CO2スマートなど <フラクショナルCO2>ブリッジセラピー、CO2RE、フィクサー、eCO2など | 10600nm | 赤み シミ クレーター |
エルビウムヤグレーザー (Er:YAGレーザー) | YAGにエルビウム(Er)を混ぜたものを照射するフラクショナルレーザーですが、炭酸ガスレーザーよりもダウンタイムが短いため、人気が上昇しています。 ※YAG(ヤグ)・・・イットリウム・アルミニウム・ガーネットの結晶 【機器名、治療名】 サイトンレーザー、プロフラクショナル、ピクセルプロ2940、MCL30、ジュールフラクショナルなど | 2940nm | 赤み シミ クレーター |
Er.YSGGレーザー | エルビウム:イットリウム・スカンジウム・ガーネット・ガリウムレーザという長い名前のレーザーです。 レーザーピーリングにも用いられるレーザーです。 【治療名、機器名】パールフラクショナルレーザー | 2790nm | 赤み シミ クレーター |
【non-ablative型】
レーザーの種類 | 説明 | 波長 | 適応 |
---|---|---|---|
1320nm-1927nmの 近赤外線領域のレーザー | フラクショナルレーザーで用いられているエルビウムグラスレーザー、ツリウムグラスファイバーレーザーなど。 少し赤くなる程度で当日からメイクができる人が多いというダウンタイムの短さが特長です。 【機器名、治療名】フラクセル、スターラックスなど | 1320nm ~ 1927nm | 赤み シミ クレーター |
ネオジウムヤグレーザー (Nd:YAGレーザー) | YAGにネオジウム(Nd)を混ぜたもので、後述するレーザーピーリングなど多用途に使われています。 Qスイッチレーザーでは、より波長の短いKTPを照射することもできます。 【機器名、治療名 】 <ロングパルス(LP-YAG)> クールタッチレーザー、ジェネシス、クールグライドなど <Qスイッチヤグレーザー> レブライト、MedLite(メドライト)C6、スペクトラなど | 1064nm ~ 1319nm | 赤み シミ クレーター |
半導体レーザー (ダイオードレーザー) | 赤みの治療に効果があるレーザーです。 エステサロンの脱毛で 【機器、治療名】キュリア、メディレーザ ソフトパルス10など | 800nm ~ 900nm | 赤み |
アレキサンドライトレーザー | Qスイッチレーザーとロングパルスレーザーがあり、いずれもシミの治療に使われています。 ロングパルスレーザーは脱毛用のレーザーとしても定番です。 【機器名、治療名】 <ロングパルス(LPIR)>GentleLASEなど <Qスイッチ>アレックスⅡなど | 755nm | シミ |
ルビーレーザー | Qスイッチレーザーとして、茶・黒計系のシミに高い効果があります。 【機器名、治療名】 The Ruby Z1など | 694.3nm | シミ |
色素レーザー (ダイレーザー) | 赤色に反応するレーザーを照射し、赤みのあるシミや赤ら顔を改善する方法です。 【機器名、治療名】Vビームレーザー、Vスターレーザーなど | 560nm ~ 650nm | 赤み |
注意点
ダウンタイムの長さに差はあるものの、レーザー治療は皮膚組織を強制的に再生させる治療方法です。
そのため、肌が弱い人や肌トラブルを抱えている人、妊婦や授乳婦は受けられないことがあります。
とはいえ、当日から化粧もできる肌に優しいレーザー治療も増えてきています。
医師と相談し、生活スタイルや肌の状態をもとに最も適切な治療法を見つけましょう。
光治療(フラッシュランプ)
レーザー治療が単一波であるのに対し、光治療は幅広い波長の光を照射します。
即効性は弱いもののダウンタイムが少なく、赤みの軽減やコラーゲンの生成など総合的な美肌効果があります。
エステサロンで受けられる施術も多く、比較的軽度のニキビ跡の治療に向いています。
【料金】
1回数万円~で、5~10回繰り返すことで効果を得られます。
光の種類 | 説明 | 適応 |
---|---|---|
IPLのみ | IPLのみを照射する方法で、主に肌の表皮に作用します。 【治療名、機器名】 フォトフェイシャル、ライムライト、クリアタッチ、フォトスキンセラピー、I2PLなど | 赤み シミ |
IPL+RF(高周波) | IPLと同時にRF(高周波)を照射することで、より肌の深くまで効果を届ける方法です。 このRFは主に肌表面を加熱するバイポーラ式で、後述する高周波治療のRFとは異なります。 【治療名、機器名】 オーロラ・プロ、フォトRFオーロラ、フォトRFアドバンス、フォトソールなど | 赤み シミ |
UPL | IPLに比べるとメラニン色素への反応が良いため、シミに効果が高いとされています。 【治療名、機器名】 フォトシルクプラスなど | 赤み シミ |
近赤外線 | 真皮層にも働きかけるたるみ治療として効果を上げています。 クレーターを改善する治療と並行して行われることがあります。 【治療名、機器名】 タイタンなど | クレーター |
以降は、ニキビ跡のタイプ別に治療法を紹介していきます。
赤みやシミタイプに適した治療
赤みやシミは健全な肌のターンオーバーを繰り返すことで改善していくため、肌のターンオーバーのスピードを高めるための治療が主となります。
外用薬
ピーリング効果やメラニン色素を抑制する効果のある外用薬があります。
肌が赤くなるなどの副作用があるので、通信販売で購入して自己判断で使用するのはオススメできません。
【料金】
ニキビ治療も継続しているなら、ディフェリンゲルとベピオゲルは保険適用でいずれも1本600円くらい。
一方、シミを薄くするトレチノイン・ハイドロキノン療法は保険適用外で、1ヶ月あたり数万円かかります。
薬 | 説明 | 適応 |
---|---|---|
ディフェリンゲル | ピーリング効果のあるニキビ治療薬。 乾燥や赤みなどの副作用が表れることがあります。 | 赤み |
ベピオゲル | ピーリング効果と殺菌・抗菌効果のあるニキビ治療薬。 ディフェリンゲルと類似の副作用があります。 | 赤み |
トレチノイン | 肌のターンオーバーを促進する効果のあるニキビやシミの治療薬。 ディフェリンゲルと類似の副作用があります。 | シミ |
ハイドロキノン | メラニン色素の生成を抑制する効果があるニキビやシミの治療薬。 トレチノインと併用することが多く、炎症や赤みといった副作用があります。 | シミ |
内服薬
赤みやシミの場合は、抗炎症作用のある薬や色素沈着を防ぐ薬が効果を上げることがあります。
【料金】
抗生物質は保険適用です。
トランサミンとシナールは保険適用外で、服用量にもよりますが1ヶ月6,000~1万円くらいになります。
薬 | 説明 | 適応 |
---|---|---|
抗生物質 | 抗炎症作用で赤みのあるニキビ跡にも効果が見込めますが、あくまでニキビ治療薬なので、ニキビ跡しかない状態で処方されることはありません。 | 赤み |
トランサミン | 抗アレルギー剤ですが、シミや肝斑の治療薬として処方されることがあります。 美容目的での処方の場合は、基本的に保険適用外となります。 | シミ |
シナール | アスコルビン酸(ビタミンC)とパントテン酸(ビタミンB5)を含むビタミン剤です。 トランサミンと一緒に服用することでシミを予防する効果を高める役割です。 | シミ |
ケミカルピーリング
AHA(フルーツ酸)やサリチル酸などの薬品を使って古い角質を除去する方法です。
※AHA・・・ケミカルピーリングの場合は、グリコール酸と乳酸を指す総称です。
【料金】
1回あたりの料金は5,000円~2万円と病院によっても差があり、複数回の施術が一般的です。
薬剤 | 説明 |
---|---|
グリコール酸 | 最も一般的なケミカルピーリングです。 施術中に少し痛みを感じることがあり、人によっては少しダウンタイムがあります。 |
乳酸 | 角質を除去する効果は低いものの、色素沈着に効果のある肌に優しいケミカルピーリング。 施術を受けてから回復するまでのダウンタイムがほとんどないのが特長です。 【治療名、機器名】ラクトピーリング |
サリチル酸 | グリコール酸よりも強力な薬剤で、クレーター型にも効果が期待できます。 1週間程度は赤くなったり皮がめくれたりするダウンタイムがあります。 |
サリチル酸マクロゴール (BHA) | 角質を溶かす効果が高いものの、サリチル酸よりも肌への負担が軽いケミカルピーリング。 ダウンタイムもほとんどないため、人気が高まっています。 |
トリクロロ酢酸 (TCA) | 3~4日間のダウンタイムがあるほど強力ですが、そのぶんシミやたるみの改善効果が高いケミカルピーリングです。 【治療名、機器名】 ブルーピール |
クリスタルピーリング、ダイヤモンドピーリング
クリスタルピーリングは酸化アルミニウムの粒子で古い角質を取り除く方法で、ダイヤモンドチップを用いるのがダイヤモンドピーリングです。
化学薬品を使わないので肌への負担が少ないのがこの治療法の特長ですが、そのぶん効果は低め。
エステサロンでも施術されていますが、ニキビ跡の治療が目的なら病院へ行くほうがより安全です。
【治療名、機器名】 マイクロダーマルアブレージョン、ダイヤモンドピール、ソルトピールなど
クレータータイプの治療
先述したレーザー治療の一部やサリチル酸ピーリングのほか、以下のような選択肢があります。
但し、数万円~100万円以上とい非常に高額であるうえ、根本治療ではなくたるみの改善により目立たなくする方法が主流なので、効果が永続しない治療が多いというデメリットがあります。
処置 | 説明 |
---|---|
レーザーピーリング | 一般的には、Nd.YAGレーザーを照射することにより、古い角質を取り除き、コラーゲンの生成を促進する治療法を指します。 毛穴の開きの改善に効果が高く、浅いクレーター型にも効果が期待できます。 カーボンを塗布してからNd.YAGレーザーを照射するのはカーボンピーリングです。 Er.YSGGを照射するサーマルピーリング(パールレーザー)もあります。 【治療名、機器名】MAXレーザーピーリング |
FGF治療 | FGF(線維芽細胞増殖因子)というたんぱく質の一種をくぼみに注入して皮膚の再生を促す方法です。 |
脂肪注入 | 脂肪が委縮しているクレーターに脂肪を注入して凹みを目立たなくする方法です。 脂肪委縮タイプのクレーターに有効です。 |
ヒアルロン酸注入 | ヒアルロン酸を注入することにより、皮膚を盛り上げて凹みを目立たなくする方法です。 浅いタイプのクレーターに有効です。 |
高周波治療 | 高周波によりコラーゲンの生成を促進し、肌のリフトアップする方法です。 その結果、ニキビ跡の凸凹を目だなくさせる効果が期待できます。 【治療名、機器名】 サーマクール、マエストラRF、テノールなどがあります。 ※エステサロンで受けられる高周波(プロリフトRF、リラックスF、サーモシェイプなど)は医療機器ではないので、病院で受けられる高周波治療よりも出力は弱いです。 |
超音波治療 | 超音波の熱エネルギーを皮膚と脂肪層の深くまで届けることで肌のたるみを改善する方法です。高周波同様、凸凹を目立たなくさせる効果が期待できます。 |
ダーマローラー | 細い針がついたローラーで肌に細かい穴を開け、肌の再生を促す方法です。 ビタミンCやプラセンタ、ヒアルロン酸などを注入する治療を並行することが多いです。 ※個人輸入のキットも販売されていますが、肌を傷つける方法なので、安易に使用するとより肌にダメージを与えることになるのでくれぐれも注意してください。 |
培養表皮移植 | 耳の後ろの皮膚を移植する方法です。 非常に高額で、広範囲の場合は入院やホテルでの滞在が必要になります。 |
ケロイド、肥厚性瘢痕、しこりの治療
ケロイドや肥厚性瘢痕の治療の場合は、保険適用になる場合もあります。
処置 | 説明 |
---|---|
ステロイド注射 (ケナコルト) | 盛り上がった部分を扁平にし、赤みを軽減する方法です。 月1回、5~10回の注射が必要です。 |
内服薬 (リザベン) | できたばかりのしこりに効果がありますが、これだけでは完治しにくいです。 注射や圧迫療法と併用されることが多いです。 |
圧迫療法 | 盛り上がりを改善するために柔らかいスポンジなどを用いて患部を抑える方法です。 24時間抑えていなければならないので、夏場などは継続するだけでも大変です。 |
外科手術 | 患部を切除して縫い合わせる処置で、真性ケロイドの場合は放射線治療も併用します。 |
補助的な治療
劇的な効果や即効性は期待できないものの、他の治療と併用することで相乗効果が期待できる方法もあります。
イオン導入
スキンケアの章で紹介したイオン導入は、病院やエステサロンでも受けることができます。
ケミカルピーリングなど、ほかの治療と併用されることが多いです。
【料金】
1回3,000~6,000円程度です。
薬剤 | 説明 | 適応 |
---|---|---|
ビタミンC | シミ抑制や皮脂の過剰分泌を抑える効果があります。 イオン導入する薬剤としては最も一般的です。 | 全般 |
ビタミンA、C、E | ビタミンCと一緒に、皮膚や粘膜を健康に保つ効果のあるビタミンAや抗酸化作用のあるビタミンEも導入します。 | 全般 |
プラセンタ | 保湿効果やコラーゲンの生成を促進する効果があるため、ビタミンCの導入と併用するとより高い効果が望めます。 | 全般 |
トラネキサム酸 | 内服薬のトランサミンの成分で、シミ抑制効果があります。 | シミ |
グリシルグリシン | 毛穴の開きに効果のあるイオン導入です。 | クレーター (毛穴拡大) |
【自宅用のイオン導入器との違い】
自宅用のイオン導入器も病院でのイオン導入も、微弱な電流を使って有効成分を浸透させるという仕組みは同じです。
但し、やはり病院のほうが高性能なので、ビタミンC以外の有効成分を浸透させることができますし、医師が肌質や肌の状態に合わせて電流の強さや導入する成分量を調整してくれるのが大きなメリットです。
また、ケミカルピーリングやレーザー治療と併用されることも多いので相乗効果が期待できます。
逆に、何度も病院に通わなければならない、高額になるというデメリットがあります。
東洋医学
体質改善にも取り組みたい、副作用の心配なく自然な方法で治したいという方は東洋医学もオススメです。
月々数千円なので病院での治療よりは安いですが、じっくり時間をかける覚悟が必要です。
処置 | 内容 |
---|---|
漢方薬 | 肌のターンオーバーを促進する、体質改善など。 |
美容鍼 | 血行を促進して肌のターンオーバーの効果を高めるための鍼治療。 |
注意点
ニキビ跡治療には、非常にお金がかかります。
失敗して後悔しないためにも、事前の下調べはしっかりとしておきましょう。
信頼できる病院を選ぶ
いったん肌に大きなダメージを負わせる治療も多いですし、各治療機器には照射レベルなど細かい設定があります。
機械による処置だから誰がやっても一緒というわけではなく、肌の状態や体質を見極める丁寧なカウンセリングや、最適な治療法や設定を判断して施術する高い技術力が必要なのです。
節約という意味では2,000~3,000円の初回限定価格は魅力ですが、1回で終わる治療はほとんどありません。
電話やメールでの無料相談も積極的に活用し、信頼できて相性が良いと感じる病院を探してください。
医師ではなく看護師が施術する病院もあるようですから、その点もしっかり確かめておきましょう。
※医療機関専用の機器で看護師が施術すること自体は違法ではありません。
エステサロンとの違いを認識しておく
同じような名前と料金でも内容が違うことがありますので、確認が必要です。
エステサロンが悪いわけではありませんが、治療する場所ではないことは認識しておきましょう。
まとめ
ニキビ跡という名前は同じですが、その治療法はニキビ跡のタイプによって大きく異なります。
自分のニキビ跡のタイプを把握できたら、どんな選択肢があるのか整理してみてください。
そして、今日からできる生活習慣とスキンケアの改善はすぐにでも始めましょう!
早くて1ヶ月、長いと半年や1年という気の長い取組みになりますが、途中で投げ出さずに続けてくださいね。
ニキビ跡の改善については、なにはさておき、「継続は力なり」です!
参考文献:「イチからはじめる美容医療機器の理論と実践」(宮田成章/全日本病院出版会)
【参考URL】
養命酒「冷えと眠りの深い関係」:
http://www.yomeishu.co.jp/sp/hie_nemuri/
医療法人清友会笠松病院「ビタミンCについて」:
http://www.seiyuukai.or.jp/health/vitamin/vitamin.htm
nikkeiBPnet「ストレスケア、うつ予防には運動、単発的に行うだけでも効果あり」:
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20120210/298878/?ST=life&P=1
湘南美容外科:http://www.s-b-c.net/
小笠原クリニック 澄川診療所 皮膚科:
http://www.ogasawaraskin.com/
メディアージュクリニック福岡:
http://www.mediage-fukuoka.jp/
MUNOAGE:http://www.munoage.com/
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